高齢者雇用についてEmployment
ダイバーシティの取り組みの中で、企業がもっとも導入・実施が進んでおり、プラス効果が感じられるとしているのは「シニアの活用」です。(2017・1 働き方に関する調査より)
今までの人材をそのまま雇用に繋げるために容易なこと、能力なども問題ないことなどが一因でしょう。
大学の研究によると、現在の60歳以上の勤労者は、一般に経験豊富で健康状態がよく、仕事への満足度は若い同僚よりも例が高いといいます。
職業倫理と会社への忠誠心がともに強く、物知りで問題解決に長け、出世よりも有意義な貢献に関心があり、情報や組織理念を共有する傾向が若者より強いといいます。
これも確かにそうだと思われませんか?
企業の成長のために、シニア人材に活躍してもらうために、ぜひ取り組みをお願いします。
社会背景
社会背景1
- 人材不足、高齢化とともに60歳以上(シニア)の雇用に注目が集まっています。
年金と併給できたり、また会社側では、雇用保険の適用の変更・シニア雇用をする企業の範囲をグループ企業まで拡大できる、高年齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業に対して、罰則として社名が公表されるなど、様々な側面からの変更が後押ししています。 - また助成金も定年の年齢を65歳以上に引き上げたり、高年齢者の雇用環境を整備したり、高年齢の有期契約労働者を無期雇用に転換したりした場合の、ハローワークからの雇用などに適用が広まっています。(これに関する相談、お問合せも受け付けております
- 平成25年4月からの厚生年金の支給開始年齢の引上げにより、高齢者雇用安定法が成立され、希望者全員を65歳まで継続雇用する制度ができました。
65歳までの雇用を確保するために、以下のいずれかの措置を導入しなければならないと決められています。
(1)定年の廃止
(2)継続雇用制度の導入
(3)定年の定めの廃止
社会背景2
- 年金の支給時期が後ろ倒れになっていることから、70歳まで働かなければ立ちいかないケースが増えている
- 様々な理由により、以前のように60歳が定年のマイルストーン(節目)として役割を果たさなくなった
- このシニア層の数は決して少ないものでなく、今後も増加することが予想される中特別枠で対応するには限界がある
ポイントと課題点
ポイント
- 皆が共有で押さえておくべきポイントは、シニアの再雇用は福祉目的ではなく会社の成長のための、いち戦力とすることだという認識
課題点
- シニア本人
①「モチベーション」役職定年、給与の減少などによりモチベーションを維持することが難しい
②「体力」加齢・老化現象はある。体力、柔軟性、作業が遅くなるなど避けられないことも多い - マネージャー(管理職)
モチベーションが落ちているシニア層に対してのマネジメントスキルの不足 - 総務
評価制度などの設定の見直し
ヒアリングによる高齢者の声
「65歳までは長い。予定していなかっただけにまだピンとこない」(今なお、考えていることを避けていると感じました。本人も少しそういう面は自覚しておられるようです)
「役職がなくなった数年前から、モチベーション維持は難しい。外部の勉強会に行き、外に生きがいを見出している」(定年後は「そば屋さんになりたい50代がとても多いそうです)
64歳の方 (一部上場企業)
58~60歳の時は早く60歳になりたかった。中途半端なポジションで仕事内容でしんどかった。
60歳のとき、1~2年は再雇用でいいかなと思った。
63歳のとき、お金もかかるし辞めると大変だと焦る。65歳まで働くと思う。
64歳の今、働くことに意義はあると思う。不安がないと真剣に考えない。
「自分は“くれない病”にかかっている(声をかけてくれない、誘ってくれない、教えてくれない、と不満と募らせること」
「自分の何が強みか分からない」 「今の仕事にやりがいはない」
「会社の中でのぶら下がる選択肢が少ない。(ぶら下がる??)」
*上司から、ずっと働き続けてほしいと思われている69歳の男性
「いい先輩、上司、会社に恵まれておりありがたい」「きびきびは働けないが、自己研鑽には励みたい」
「いつ仕事を切られるかは怖い」「他の職種は経験がなく、ここで腹をくくるしかない」
ヒアリングによる管理職・若年者の声
自分のやり方しかできない。正しいやり方を理解しようとしてくれない。
自己主張が激しい人も大変だが、賢い人ほど、自己主張もせずに黙ってしまい自制し引いてしまっている。
大企業病は深刻だと皆が感じている
「おじさんたち(ノルマや責任がなく、給与が応じて下がっている人)の尻ふきの仕事はもう嫌だ」と若い人の多くは不満を募らせている。
やはり年上であり、元役職者であるために、どこまで指導をしていいのか躊躇する
後進育成という部分を期待するが、うまくいっているようには思えない。
今後、数が増えるとすべての人に求めれる役割でもなく、変更していく必要を感じる
評価制度自体がまだ曖昧で、期待とフィードバックをどのようにすればいいのか、聞いたり相談できる部署もない
解決策
シニア本人
- 早い時期に、キャリアを見直す時期が必要
- 継続雇用の目的を認識してもらう必要がある
- 社会背景、お金に関する現実などを知ることで、キャリアを真剣に考える機会が必要
- キャリアに向けて考え直す場、サポートが必要
- 期待を感じ、自ら成長しエンプロイーを磨く意識が必要
マネージャー
- シニア雇用の目的と、それに伴うマネージャーの仕事の再認識
- ダイバーシティマネジメント(多様性)のスキルを身につけ、人材を活かすことに注力
必要な施策
1.スキル習得
各人が必要に応じたスキルと共有の場が必要
2.風土改革
様々な人が働いていく上でお互いに相互理解が必要
3.目的の共有
- セミナー
- 講演会(フォーラム)
- 企業内広報(配布物、イントラネットなど)
- 現状分析からのPJの発信